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桐生タイムスより

考え方/腹が立たなくなった

 考え方の違いで、不運と幸運が逆転することがある。  車で出勤の途中、交通事故の現場に遭遇し、渋滞に巻き込まれて、会社の始業時刻に遅刻した場合を考えてみよう。  多くの人は、これを不運と思い「きょうは朝からついていない」と感じるだろう。  ところが、一部の人は「もう少し早く家を出ていたら、私自身が交通事故に遭ったかもしれない。渋滞で済んで運が良かった」と逆に幸運と受け止める。  乗っていた…

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長谷をハセ、近江をオウミと読む理由/念のため

 半年余り前の当欄「地名・人名」の最後に、長谷をなぜハセと読むのかとクイズを出題し、ヒントは奈良時代と記したまま、正解を示さなかった。今回はその解説である。  奈良県桜井市の初瀬山の麓に初瀬川が流れ、下流は大和川となっている。初瀬山の中腹には真言宗の古刹長谷寺がある。初瀬は最初、文字どおりハツセと読まれていたが、後に促音便でハッセとなり、さらにハセに変化した。現在の地名はハセである。  長谷寺…

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鍋と釜/あれこれの意味

 鍋と釜はどこの家庭にもある調理器具だ。鍋は食物を煮たり、いためたりする器で底が比較的浅いのに対し、釜は飯を炊いたり湯を沸かしたりする金属製の器で鍋より深い。  釜には調理用具の他に、竈、仲間、滝壺、男色、ボイラーなどの意味もある。  ことわざ大辞典には、鍋に関するものが61項、釜に関するものが63項も記されている。  辞書には鍋底(景気)、鍋奉行など誰でも知っている熟語の他に、鍋借りのよう…

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神と仏/異同を考える

 神と仏の違いは誰でも知っているが、その異同を記せといわれると、戸惑ってしまう。  各人の宗教観・人生観により各人各様だろうが、私は次のように考えている。  日本列島には有史以前から、地震・台風・津波・火山の噴火などの自然災害があった。  人間が住むようになると、人はそれらの災害から逃れられず、自然に収まるのを待っていた。  災害は、目には見えないが正体不明の魔力を持つもの、サムシング・グ…

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自動化/不便なこともある

 日進月歩の技術革新により、機械・器具が自動化し、一見便利な世の中になったような気がするが、冷静に考えると、かえって不便になったり住みにくくなったものもある。  エレベーターは、昔はデパートではエレベーター・ガールという若い女性の係員が操作し、各階売り場や催し物の案内をしてくれたが、現在では各自がボタンを押して自分で操作し、あいさつをしないで黙って乗降するのが普通だ。  日本最初のエレベーター…

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清音と濁音/ザンゲとサンゲ

 五十音図をカキクケコのように澄んで読むのを清音、ガギグゲゴのように発音するのを濁音、パピプペポを半濁音という。  英語からの外来語の発音は原語と逆転しているものが多い。定期券のパス、湯船のバスは英語どおりの発音だが、オリンピックの金メダルを金メタルと言う人がいる。メタル metalは金属でギリシャ語由来、メダル medalは賞碑の意味の英語でラテン語由来の言葉だ。  野球のバントをバンドとい…

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牛と午/角をとって馬にした

 牛と午は一見似たような漢字だが、誤植されることは少ない。未と末、鳥と烏はときどき間違われる。天は昔1画目が2画目より短かったが、戦後は1画目を長く書くようになった。吉は口の上が土か士か、両方とも使われていたが、吉田茂首相の鶴の一声で、現在は吉が標準字体だ。  今年の干支はウマで馬の絵を描いた年賀はがきが多いが、漢字は馬ではなく午と書く。  なぜ午が馬なのか、長い間不思議に思っていたが、7回目…

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上毛かるた/改変には応じない

 上毛かるたは終戦後間もない1947(昭和22)年に発行され、以来66年間も群馬県民に愛され、定着している。  正式の教材ではないが、小学校でかるた大会が推奨されたので、県民の大半が知っている。  発行元の群馬文化協会の役員が高齢となったので協会が群馬県に無償で発行権を譲渡した。両者が締結した合意書には「力あわせる二百万」以外は、読み札も絵札も改変しないことが盛り込まれているとのことだ。  …

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鷗外 森林太郎/願望の表現

 森と林はどう違うのだろう? ふと疑問に思い調べ始めた。  誰でも最初に気付くのは、林は木が2本、森は3本だから、森のほうが木が多いのだろうと想像する。また林は木の高さがそろっているが、森は高さがふそろいなのではと考える。  しかし、どの辞書を引いてもそんな解説はない。林も森も常用漢字だが、林は小学校1年生で習う教育漢字だが、森は小学校では習わない。  六法全書で森林法を調べたが、森と林の区…

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産学官/市は官なのだろうか

 桐生市の庁舎(市役所)の3階に産学官推進室がある。推進室といっても特別な部屋はなく、他の課と同様、通路から見渡せる一角にあり、市の組織の名称だ。課と係の中間のような感じだ。  何を推進するのか、目的語のない奇妙な名称だが、3者の連携を推進するのだろう。  産は産業界・学は大学・官は桐生市の意味らしいが、市は官なのだろうか。  産学協同は戦後間もなく使われだした言葉で、平成元(1989)年発…

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