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桐生タイムスより

総合戦略推進委員会/用語は慎重に、結論は急がずに

 本誌の報道によると、桐生市は先日委員24人からなる「桐生市総合戦略推進委員会」を発足させ、初会合を開いたとのことだ。各委員から「他自治体と同じことをやっても仕方ない。桐生市しかできないことをすべきだ」などの活発な意見が述べられたが、「戦略」という言葉に苦言を呈した委員はいなかった。  戦略や戦術は軍事用語だ。憲法で平和を唱え、戦争放棄を誓った日本で、戦略推進を計る委員会を自治体が設置することに…

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総理大臣と首相/その使い分け

 戦後70年の首相談話が話題になり賛否両論だ。「首相の談話」の予定が「首相談話」として発表された。  「の」があると首相の個人的な談話で「の」がないと閣議決定された政府の公式見解だとのことだ。50年の村山談話、60年の小泉談話はいずれも「の」がない政府の公式見解だったので、今回も「の」のない安倍談話となった。  国民の祝日に関する法律が制定された1948(昭和23)年当時、2月11日を建国記念…

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井の中の蛙大海を知らず/本来の意味は

 ことわざや格言には意味不明のもの、互いに逆の意味に解されているもの、本来の意味と異なる意味に変化しつつあるものなどがある。  犬棒かるたの最初の「犬も歩けば棒に当たる」は棒の解釈により、不運にも幸運にもなる。棒で打たれると解釈すると、やたらに出歩くな、余計なことはするなという教訓となるが、棒を道で拾った幸運と解釈すれば、積極的に行動せよという意味になる。両方の意味に使われているようだ。  「…

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大本営発表/思い出させる

 人数を正確に数えるのは意外にむずかしい。劇場や野球場の観客数は収容人員(空席数)や切符の発売枚数で比較的正確に把握できるが、祭りの来客数や初詣の人数、デモ行進の参加数などは主催者発表と警察発表とでは、数字がかなり異なることがある。  主催者は多めに発表するが、警察は警備の都合上かなり正確に数えているようだ。   しかし数がでたらめだと主催者に抗議する人は少ない。新聞社は内心水増しだと思っても…

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婚活パーティー/新しい国づくり

 就活や婚活のように〇活という二字熟語がはやっている。中学校の部活動を部活と縮めたのが元祖らしい。  桐生市社会福祉協議会(略称・社協)と桐生市は、共催で婚活パーティーを開催した。参加者募集要項によると、参加費は男性1500円、女性500円だ。昼間のパーティーでアルコールは提供しない。  参加費に3倍もの格差を設けたのは、一見女性優遇のように見えるが、男女平等を規定した憲法の精神から考えると、…

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合計特殊出生率/母の年齢計算

 人口問題を論ずるとき、最初に話題になるのは合計特殊出生率だ。この用語には一人の女性が一生に産む子どもの平均数とされるという注釈がつけられることが多い。  用語の意味や計算法を知っている人は少ないようだ。なぜ「とされている」と表現されているのかを正確に理解している人は、さらに少ない。  昔は出生率は人口1000人当たり1年間に何人子どもが生まれるかで示していた。千分率(パーミル・‰)だが、百分…

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少子・超高齢社会/抜本的対策は遠い

 人口問題を論ずるとき、少子・高齢化社会という言葉が使われることが多い。統計学では用語の定義が重要だ。  現在、わが国は人口減少問題で大騒ぎしているが、歴史的には1968年世界の賢人たちがローマに集まって人類の生存の危機に警告を発したのが始まりだ。  そのときは、爆発的に増え続ける世界の人口を憂え、地球は何億人の人口を支えられるかが話題になった。  その後、先進国では人口が減少に転じ、老齢化…

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夫婦と夫妻/微妙な差

 夫婦と夫妻とは同義語だが、語感に微妙な差があり、互いに入れ替えて使えるとはかぎらない。  たとえば語の後に、円満やけんかを付けると、夫婦円満や夫婦げんかは使えるが、夫妻円満や夫妻げんかはしっくりしない。  夫婦は話し言葉で夫妻は書き言葉のような気がするが、そうとも限らない。教育勅語に「夫婦相和し」とあるから、正式な文章語でもあるのだろう。民法に「夫婦は同居し」と規定されているから法律用語とし…

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選挙権は18歳から/変化を期待する

 20歳以上だった選挙権が18歳以上に引き下げられた。準備の都合上、来年夏の参議院選挙から実施されるらしい。  世界的に見ると、18歳からと規定している国が最も多いとのことだ。民法では20歳を成年(成人)と定めており、少年法では20歳未満の者を少年、成人は20歳以上と区別している。公職選挙法で18歳以上を有権者とすると、民法や少年法との関係をどうするかが課題となる。一方、婚姻は法律上、男は18歳…

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色即是空・空即是色/意味を想像する

 座右の銘というほどではないが、好きな言葉に「色即是空・空即是色」がある。般若心経の一節だとすぐ気付く読者もいるだろう。僧侶のように修業したことはなく、学者のように研究したわけではないので、経典の奥義を会得せず、ただ何となくわかったような気がしているに過ぎない。  般若心経の原典は、古代インドで文章語として使われていた梵語で書かれたものを、中国の僧が漢訳し、それが日本に伝わって国内で流布した。7…

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