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桐生タイムスより

入水・入浴・入湯/昔と今と

 30年余り昔のことだ。当時私は小学校の学校医を務めていた。初夏のある日、学校保健委員会に出席するため、学校に赴いた。会場の教室の黒板に「今日の入水は中止」と板書されている。意味は想像できたが、念のため「これはどういう意味ですか?」と尋ねた。  教師は「気温が上がらないので、プールは中止しました」と答えた。入水は身投げだと思っていた私は、学校ではプールに入ることを入水ということを初めて知った。 …

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踏切の警報機/「事前」はむずかしい

 車が通行可能な踏切には、現在はほとんど警報機と遮断機が設置されている。車や歩行者と列車との接触事故を防止するためだ。歩行者のなかには、目の見えない人や耳の聞こえない人もいる。  列車が踏切を通過するときは、①警報機が鳴り始め、赤灯が点滅する②遮断機の手前の棒が下がり、その後向こう側の棒が下りる③列車が踏切を通過する④警報音がやみ、遮断機が上がる。⑤車や歩行者が踏切を渡るーの順となる。  私は…

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善意と悪意/法律語の意味を知る

 ある言葉を別の意味に解釈していると、二人の会話は成立しない。よく言われる例に「結構」がある。  商品の売り込み電話に「結構です」と断ったつもりが、後日商品が届き、承諾したではないかと代金を請求された話を聞く。  結構は結構な品や結構な作品のように、褒め言葉にも使うが、もう結構ですのように、辞退や拒絶の意味にも用いられる。不要なら「要りません」と断るのがよい。  意思と意志は読み方が同じで、…

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火の車/むかし台所いま家計

 消費税率が5%から3㌽上昇し、8%になって家計は火の車だとの嘆きの声が聞かれる。戦後の混乱で生活が苦しかったころは、台所は火の車と表現していたが、生活費に占める食費の割合を示すエンゲル係数が使用されなくなった頃に、台所から家計に変わった。  昔は物価の標準は米価だったが、今では米価よりガソリンの価格に人々の関心がある。  現在の台所の熱源はガスか電気だが、昔は竈に薪をくべ火を燃やして米飯を炊…

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七転び八起き/熟語の中の数字の意味

 数字がついた熟語やことわざは多い。一期一会・二度と再び・孟母三遷・四海・富士五湖・六法全書・七転び八起き・八重桜・九分九厘・十進法など、探せばいくらでもある。  しかし、これらの数は必ずしも正確ではなく、多いという意味だったり、語呂合わせだったりすることもある。  まず、一期一会は茶道の心得で、千利休を連想する。一生に一度限りの意だ。 二度と再びは同意語を重ねて強調した表現で、下に打消し…

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通貨(貨幣と硬貨)/五円だけがなぜ

 先日、世界中に流通しているビットコインが破綻したという報道があり、驚いた。  日本では流通量が少なく、被害も比較的少額で済んだとのことだ。経済やコンピューターの知識のない私は、解説を読んでも理解できないことが多かったので、通貨について改めて勉強した。  貨幣や硬貨がなぜ価値があり、流通しているのかは結局国民が政府や日本銀行を信用しているからだろう。信用が消滅すれば、紙幣は無価値の紙切れ、硬貨…

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外国の国名と地名の漢字表記/アメリカは2番目の「米」

 新聞の見出しに「米輸出」とあるとき、米がアメリカかコメか一瞬迷うことがある。  アメリカ合衆国を米国と略記することは、誰でも知っているが、理由は知らない人が多い。現在は、外国の国名や地名はカタカナ書きが原則だが、昔は漢字で記すことが多かった。  アメリカを亜米利加、アジアを亜細亜、アルゼンチンを亜爾然丁、アイルランドを愛蘭、アテネを雅典、アルジェリアを阿爾及と表記した。  略称は最初の文字…

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士と師/いろいろな使い分け

 人の資格や職業を表す言葉には士や師が付くものがある。弁護士と医師が代表的な例だ。  士や師がつく言葉を列挙してみよう。  士 栄養士・保育士・建築士・不動産鑑定士・土地家屋調査士・行政書士・司法書士・救急救命士・税理士・公認会計士・歯科技工士・歯科衛生士・社会福祉士・弁理士・無線技士・理学療法士・臨床工学技士・介護福祉士・言語聴覚士・社会保険労務士のように国や知事が認定した公的な資格の他に、…

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四季の色/民族による感覚の違い

 春夏秋冬の四季を色で表現すれば、それぞれ何色を配するかは、各人各様だろう。  古代中国の五行説では、青・朱・白・黒を配し、青春・朱夏・白秋・黒冬としている。  青春は日本でも完全に定着しているが、残りの3種は初めて聞く人が多いのではないか。  春に青を配するのには異議がないだろう。  晴天を青空、海の色も青という。青には若いという意味もあり、青年と表す。若いので未熟を指すこともある。青二…

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はがき52円は便乗値上げか?/新料金表を点検してみた

 4月1日から消費税率が5%から8%に上昇するのに伴い、商品の価格が一斉に上がる。50円の郵便はがきも52円となる。  税率が3㌽上がるので50×1・03=51・5で、円未満を四捨五入して52円だと単純に考えていた。  4月下旬に開催される講演会の案内が、製薬会社から往復はがきで3月中旬に送られてきた。  現行の郵便料金50円×2=100円で済むのに、4月以降の料金52円×2=104円の新し…

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