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桐生タイムスより

桐生市とみどり市の合併問題/不断の努力が必要だ

 長い間桐生市の懸案だったみどり市との合併は、両市の職員の1年近くの協議の末「桐生・みどり新市建設研究会 研究成果報告書(ダイジェスト版)」として発表された。
 みどり市は各種団体別に少人数を対象として数回に分けて説明会を開催したが、桐生市は全市民を対象として市民文化会館で説明会を開催し、多くの市民が参加して、副市長の説明を熱心に聴き、数名の市民からの質問もあり、有益な会合だった。
 そのとき2種類の小冊子が配布された。1冊は「桐生・みどり新市建設研究会」が作成した17㌻の研究成果報告書で、もう1冊は桐生市が独自に作成した17㌻の補足説明資料だ。
 「新市建設」という新しい用語に感心しながら読み進めると、「合併協議」という聞き慣れた用語も使われている。
 表紙の目次を見ると、「総括(まとめ)31ページ」とあるが、冊子は17㌻しかない。目次と掲載箇所のページが一致しない。桐生市作成の補足説明資料の目次も29ページとあるが、17㌻の冊子で、実際に掲載されているのは15㌻目だ。
 後日、ページの不一致を市職員に指摘したら、ページと記されているのはスライドの番号との説明だったが、ページの意味を誤解しているようで反省がない。
 研究会の設置に至るまでの背景は文字どおり補足説明でよく理解できた。しかし読み進めていくと、補足説明ではなく、むしろ反論で違和感が生じた。
 例えば、「行財政運営について、誤解を生じる可能性のある表現が含まれています。桐生市の見解は以下のとおりです」と記し、長々と独自の見解を記している。
 両市の職員が議論をし合意した結果を報告書にまとめたのではないか。合意しなければ両論併記してその旨記載すればよい。
 相手には納得をしたようなふりをして、異論を述べた冊子を桐生市民に配布するのは、みどり市に対する背信行為であり、二枚舌だ。これではみどり市から信用されず、合併は不可能だ。
 国家間の条約でも、他市町村との協定でも、いったん締結すれば誠意をもって実行することが大切だ。
 桐生市では合併は喫緊の重要事項だと考えても、誕生10年のみどり市では合併は話題になっていないようだ。
 みどり市長の市議会での施政方針演説でも、桐生市との合併問題には全く触れていない。合併を実現するためには、不断の努力が必要で、市民感情は極めて大切だ。
 合併後の夢や希望を話し合うことも重要だ。桐生市が作成して市民に配布した補足説明資料は、みどり市民には不快だろう。
(1930年生まれ。桐生市堤町2丁目)
 

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