通貨(貨幣と硬貨)/五円だけがなぜ
先日、世界中に流通しているビットコインが破綻したという報道があり、驚いた。
日本では流通量が少なく、被害も比較的少額で済んだとのことだ。経済やコンピューターの知識のない私は、解説を読んでも理解できないことが多かったので、通貨について改めて勉強した。
貨幣や硬貨がなぜ価値があり、流通しているのかは結局国民が政府や日本銀行を信用しているからだろう。信用が消滅すれば、紙幣は無価値の紙切れ、硬貨はおもちゃにすぎない。
通貨は中央銀行(わが国では日本銀行)が発行する銀行券(札)と、政府が発行する補助通貨(硬貨)がある。
政権を獲得した政党が、人気取り政策で経済や金融の常識を無視して、金をばらまかないように、先進国では中央銀行が紙幣を発行し管理している。
政府が発行しているのは少額の補助通貨(硬貨)である。日本の通貨の単位は円で、銭は計算単位にすぎず、銭が流通しているわけではない。
硬貨は同一のものは20枚(個)が上限で、それを超えれば受け取りを拒否できる。受取人が承諾すれば何枚でも使用できる。
スーパーやコンビニで、まれに数十枚の十円玉や一円玉で支払っている人を見かけることがあるが、レジ係が了承すれば何枚でも使えるが、拒否すれば同一種は20枚が上限だ。
逆に、一万円札で10円の支払いをするのは非常識だが法令上は可能となっている。
札(紙幣)の表と裏は万人共通の認識のようだが、硬貨はどちらが表かを、事前に決めておかないと、占いや賭け事はできない。
紙幣は顔がある面に日本銀行(券)と印刷されており、表である。硬貨は五百円、百円、五十円、十円、五円、一円の6種類あるが、札のように発行元の日本国と刻印してある面が表なのか漢数字で金額を表示してある面が表なのか、不明だ。
五百円、百円、五十円、十円、一円の硬貨は、いずれも日本国とある面に五百円、百円、五十円、十円、一円と漢数字で金額を表示しているが、五円だけは、なぜか日本国の面には平成15年のように発行年が表示され、その裏に5円と刻印されている。
他の硬貨はすべて漢数字と算用数字とで金額が表示されているのに、五円だけは漢数字表示だけで、算用数字の刻印がない。
なぜ五円だけ特別扱いなのだろう。発行者の日本国と発行年はすべての硬貨に刻印されているが、金額の算用数字の表示がないのは五円だけだ。
五円硬貨は「ご縁」に通じ、語呂合わせに使われるが、算用数字の5がないのは、何か特別の意味でもあるのだろうか?
(1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)