タクシー料金/観光地のあれこれ
私は一人旅で時間に余裕があるとき、タクシーで観光することが多い。その際、メーターの距離制ではなく、時間制で契約する。時間制は昔のハイヤーと同様、走行キロ数と関係なく、例えば1時間1万円のように、時間で料金を決める。美術館や博物館での待ち時間も有料だ。
一見ぜいたくな感じがするが、気持ちにゆとりが生じ、殿様気分になれる。運転はゆっくり慎重で、運転手の態度や言葉遣いもメーター制とは異なる。ドアの開閉も運転席からボタンでするのではなく、車の後ろを回って外から開けておじぎする。
観光地ではタクシー客を優遇する。自家用車からは駐車料金を徴収するが、タクシーは無料だ。鳥取市の観光タクシーは4万5000円の料金を4万円に値引きしてくれた。
桐生市のタクシーは運転士に観光案内の教育をしていないようだし、時間制の観光タクシーもないらしい。
昔は桐生地区のタクシー料金は、客が乗車した距離に対応していたが、現在では発車した地点から料金計算が始まる。
東京で流しのタクシーを利用している観光客は、乗らない区間の料金を請求されて不愉快な思いをした人もいるだろう。
陸運局の承認をえたとはいえ、料金計算の説明もチラシもなく、メーター表示のとおりの料金ですと言われても納得しかねる客もいるだろう。
桐生には二度と行きたくないと思い、友人知人に吹聴し、観光桐生にとっては大きなマイナスだ。
先日栃木県の壬生に行って感じた。東武鉄道宇都宮線の壬生駅で下車し、タクシーで町立おもちゃ博物館に行った。初乗り料金だった。帰りも同じ会社に電話したら、偶然同じ運転手が迎えに来たが、料金計算は駅からではなく、乗車した博物館からだった。運転手はノートに記入した観光案内を、信号待ちで見ながら一生懸命だった。気分が良かったので宿泊するホテルまで乗った。壬生地区と宇都宮地区のタクシー料金体系の異同まで説明してくれた。
次週、同線の西川田駅から栃木県立こども科学博物館までタクシーを利用した。帰りに同じ会社のタクシーを呼んだらメーターはすでに1000円を示していた。桐生地区と同じ料金体系で発車地点から計算する。
行き先を駅までからホテルまでに変更すると、急に愛想よくなった。
栃木県内でタクシー料金体系の異同を経験したが、乗車しない距離の料金を支払うのは不愉快だった。
桐生市のタクシー会社・観光協会・桐生市は、タクシー料金体系を再検討してもらいたい。
(1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)