競馬・競輪・競艇/辞書の読み方Ⅱ
ふとしたことがきっかけで、競馬・競輪・競艇を広辞苑で調べた。
競馬は7行にわたって次のような解説だ。
馬場を設け、騎手が騎乗して2頭以上の馬を駆けさせ、勝敗を決する競技。古式競馬は競べ馬などと称した。日本での近代競馬は1862年(文久2年)横浜で外国人により行われたのが始まり。現在は競馬法により馬券を発行して、的中者には配当金を支払うギャンブル的娯楽となっている。中央競馬と地方競馬とがある。→競べ馬
競馬に関する用語、例えば有馬記念、天皇賞、皐月賞、三冠馬、日本ダービー、サラブレッド等はすべて立項され、詳しく解説されている。
競輪は8行にわたる解説だ。
①自転車競技法により都道府県および指定された市町村が行う自転車競技。1948年に始まり、職業選手が競輪場で一定距離を一斉に走り勝敗を決する。軍券を売って的中者に配当金を支払い地方財政の増収を図る、公認のギャンブル的娯楽となっている。
②(keirin)-の方式を取り入れた、自転車競技の一つ。オートバイの先導で走り、最後の一周でスプリントを競い、勝敗を決する。オリンピック種目。
競輪がkeirinとしてオリンピック種目と初めて知った。イギリスが発祥地で、江戸時代に日本ですでに行われていた競馬はオリンピック種目ではないが、馬術はオリンピック種目だ。
これらに対して競艇は以下のとおり。
モーター・ボートの競争。
モーター・ボート(motorboat)内燃機関を動力とするボート。
念のためオート・レースは立項なし。
競は常用漢字表では音はケイ・キョウ・訓はきそう・せるだ。漢和辞典では呉音はギョウ(ギャウ)漢音はケイでキョウ(キャウ)は慣用読みだ。
競技・競争・競売の競はキョウと読むが、キョウバイは慣用読みで、専門家はケイバイと読む。広辞苑では漢音読みの競馬と競輪は詳しく解説されているが、慣用読みのキョウテイはわずか1行だ。競売もケイバイで立項されている。
広辞苑の編集者は競馬がよほど好きなのだろう。
囲碁・将棋・マージャンと同様、競馬・競輪・競艇の順に表現されることが多い。
広辞苑編集部に次回改版の際に競艇にも配慮して記述してほしいとはがきを出したら、折り返し丁重な礼状で返信され、説明を書き換えるとのことだ。
結局7版も購入することになった。来年か再来年に7版が発行されるとのうわさだ。
(1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)