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桐生タイムスより

教育と教養/生きがいがある幸せ

 教育と教養とは教え育てることの同義語として使われることもあるが、普通は教育を受けて身に付けた心の豊かさ・たしなみが教養だと微妙な差のある同義語として扱われることが多い。
 教育は学校教育や未成年を連想し、教養は学校を卒業した後の社会教育やたしなみ・人格などを思い浮かべる。したがって高学歴の人が教養があるとは限らないし、逆に義務教育だけの人でも高い教養のある人もいる。
 広辞苑には教育ーは教育愛から教育令まで45項目もの言葉が列挙されているが、教養ーは教養小説と教養部の2項目だけだ。
 教養部には大学の変遷が次のように詳しく解説されている。
 4年生大学で各専門学部に対し、一般教養科目等を中心に前期2年の一般教育の課程を担当する学部。第2次大戦後の教育改革で実現。その後、1991年大学設置基準の改正で、一般教育・専門教育の区分が撤廃され、教養部の改廃が進んだ。
 新制大学1期生の私にとっては、一般教養は懐かしい言葉だ。終戦までは小学校6年、中学校5年、高等学校2年、大学3年(医学部は4年)計16年が標準的な学制だった。
 戦後、高等学校が廃止されて大学に編入され、小学校6年・中学校3年・高等学校3年・大学4年のいわゆる6・3・3制の学制となった。中学校3年が義務教育となったが、合計は16年で変化はない。
 一般教養を身につける高等学校を廃止するのは反対との世論もあったが、エリート教育を廃止して大学を広く国民に開放するとの占領軍の方針に従い、財閥と共に高等学校は廃止された。
 旧制中学の後期を新制高校とし、新設の中学校を義務教育としたので、新制中学は単に新制と呼ばれることが多かった。
 大学の前期の教養課程では、旧制の高等学校で習った蒸し返しのような講義もあった。2年の専門課程では十分な専門教育は行えないという意見が強くなり、半年ほど前倒しとなり、その後教養課程が改廃された。
 現在は6年制の学部は医学部の他に獣医学部・薬学部があるが、大学が就職予備校のように感じられるのは残念だ。
 大学進学率が高まったのは喜ばしいが、在学中はアルバイトに精を出し、学問から遠ざかり、勉強好きの学生は大学院で学べばよいと、経済的な理由もあるのだろうが、講義を受講せずサボル学生も多いという。
 高い授業料がもったいない。
 最後にキョウイクとキョウヨウの小話を提供しよう。
 会社を定年退職後もキョウイクとキョウヨウは必要だ。肩が凝る話ではない。
 「今日行くところがある」「今日用がある」のは生きがいがあって幸せだ。
 (1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)

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