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桐生タイムスより

総選挙/反省とけじめ

 衆議院議員総選挙が行われた。このコラムは誰が当選したとか、どの政党が議席を増やしたとは関係なく、選挙のあり方や選挙管理委員会の方針についての議論である。
 まず用語の解説をしておく。
 選挙をしますと公に知らせることを公示または告示という。総選挙、参議院議員通常選挙を実施すると公に知らせることを公示といい、衆・参両院補欠・再選挙、地方選挙、最高裁判所裁判官国民審査は告示という。公示や告示の前に選挙をすれば、いかなる理由があっても無効であり、それを決定した人は処罰されるが、そんな実例は聞いたことがない。
 現在の選挙は期日前投票が可能となり有権者に便利だ。期日前投票は公示または告示の翌日から投票日の前日までだ。公示日は候補者がまだ出そろっていない。しかし、総選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官国民審査は、期日前投票を開始した数日間は行われない。国民審査の告示前だからだ。期日前投票に最初に来た有権者に、投票所の係員がうっかり国民審査の投票用紙を渡した実例は聞いたことはないが、ありそうな気がする。告示前の投票は一種のフライングで、フライングすればその瞬間に失格する。
 未成年つまり選挙権のない高校生が選挙の受付事務を手伝うと報道されたとき、本欄で厳しく批判したが、実施されたようだ。現在でも容認せず遺憾なことだと思っている。当時選管や教育委員会から反論はなかった。
 公示や告示の前に、投票所入場券が郵送されてきた。そのたびに選管に対し、公示や告示の前に有権者に入場券が届かないよう申し入れてきた。その際、死亡する前に葬儀の案内状を受け取るような感じだと表現した。
 従来は前日か前々日に届いたが、今回は申し入れに反し、4日も前に届いた。大幅なフライングだと思う。かって選挙実施の詳細を総務省の中央選挙管理会に紹介するよう求めたが、市選管は県選管には照会するが中央選管には照会しない。市選管は市長選挙は主管者だが、総選挙は本来県の選管の仕事で、その下請けにすぎないからだ。
 私は県選管を信用していない。その理由は、数年間市選管が意見は県選管に直接自分で伝えてくれとの発言どおり、県選管に伝えたら、よほどかんにさわったのか、そんなことは県の選挙管理委員長になってから言えと暴言を吐いたからだ。
 選挙とは無関係の税金の話だが、納税が家族の預貯金からの口座振替可能か否かの問題で、私の意見に反して市や県が行った措置が、当時の自治省(現総務省)の見解に反していることが判明し、市や県は大恥をかいたことがある。
 市は市民の声を謙虚に聞き、反省とけじめが大切だ。
(1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)

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