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桐生タイムスより

年賀はがき/消費者の立場の考慮

 光陰矢の如しのことわざのように、年月の経過は早く、今年も15日から年賀はがきの受け付けが始まる。
 2014年用の年賀はがきの発行枚数は34億1596万枚だったが、15年用も14年用同様34億2000万枚とのことだ。過去最高は04年の44億5936万枚で、10年間で10億4000万枚ほど減った。それでも年賀はがきは餅と同様正月の風物詩だ。
 年賀はがきを郵便局で購入すると、頼まなくても領収証書(レシート)を発行してくれる。消費税が始まった頃、内税・外税という言葉が流行した。内税とは商品の価格に税を含めたもの、外税は商品自体の価格に消費税率をかけて税額を計算し、その合計額を支払う計算方式だ。
 商品はどちらの方法を採用してもよいが、郵便はがきは商品自体に税額を含む内税方式の課税商品である。
 そのために消費税が5%から8%に増税された本年4月に、はがきは50円から52円に封書は80円から82円に値上げされた。
 はがきの領収証書を見て驚いた。支払額の次に課税計¥0(内消費税等¥0)非課税計¥0と支払額の内訳が記されている(現物は横書き)。このレシートを見ると、はがきは非課税商品だと思ってしまう。
 スーパー等のレシートは店によって多少の相違はあるが、購入した商品の価格を合計した下に、消費税等(外税)8%、○○円、合計○○円と支払額を記し、その内の消費税額を明瞭に表示している。
 私は郵便局に内税の郵便はがきの領収書に課税計¥0(内消費税等¥0)と表示されている説明を求めた。郵便局の説明は一瞬何をいっているのか、理解に苦しむ回答だ。
 その説明によると、はがきを発売(利用者から見ると購入)した時点では消費税の納入義務は生じないから非課税と表示した。では何時納入義務が発生するのかと尋ねると、はがきを消費した、すなわちポストに投入した瞬間に発売した郵便局側、すなわち日本郵便株式会社側に納入義務が生ずる。何だかきつねにつつまれたような話だ。
 発売時に非課税なら、なぜ課税分の52円の代金を支払うのか説明せよと、求めても返事をしない。税務署にレシートを見せて説明を求めても困惑するだけだ。
 私は見なし理論を適用すればよいと主張した。消費税は文字通り消費に課税する制度である。はがきは通信のための商品だから消費とは通信することだ。だから購入した時点では非課税なのだろう。しかし、購入時に消費(通信)したものとみなせば消費税納入義務が発生する。すなわち課税商品となる。従って税額表示となり、常識と一致する。郵便局の解釈は消費者の立場を考慮していない。
(1930年生まれ。桐生市堤町2丁目)

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