背景色の変更
  • 標準
  • 黄
  • 青
  • 黒
文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
桐生タイムスより

都道府県名/水面下の協議折衝

 日本には1道・1都・2府・43県、計47都道府県がある。東京は昔、東京府東京市だったが昭和18(1943)年、府と市を廃止して都になった。それまでは1道・3府・43県だった。そのために都道府県といいながら、数が少ない順に道・都・府・県の順に数える。
 その数は北海道地方1、東北地方6、関東地方7、中部地方9、以上を東日本とすると計23、近畿地方7、中国地方5、四国地方4、九州地方7、沖縄1で西日本計24、全国総計47となる。
 その名称を列挙すると、北海道・青森・岩手・宮城・福島・秋田・山形・茨城・栃木・群馬・埼玉・東京・千葉・神奈川・長野・山梨・静岡・愛知・岐阜・新潟・富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪・奈良・三重・和歌山・兵庫・岡山・広島・山口・島根・鳥取・香川・愛媛・高知・徳島・福岡・大分・宮崎・鹿児島・熊本・佐賀・長崎・沖縄である。
 漢字3文字が北海道・神奈川・鹿児島の3道・県で、残りの44府県は2文字だから、使われている感じの数は97文字だ。
 重複している漢字を多い順に並べると、山が山形・山梨・富山・和歌山・岡山・山口の6県、島が福島・広島・島根・徳島・鹿児島の5県、川が神奈川・石川・香川の3県、福が福島・福井・福岡の3県、岡が静岡・岡山・福岡の3県、長が長野・長崎の2県、宮が宮城・宮崎の2県、崎が長崎・宮崎の2県、賀が滋賀・佐賀の2県、京が東京・京都の2都府、愛が愛知・愛媛の2県、知が愛知・高知の2県、城が宮城・茨城の2県、奈が神奈川・奈良の2県となっている。
 残りの北・海・道・青・森・岩・手・秋・田・形・茨・栃・木・群・馬・埼・玉・東・千・葉・神・野・梨・静・岐・阜・新・潟・富・石・井・滋・都・阪・良・三・重・和・歌・兵・庫・広・口・根・鳥・取・香・媛・高・徳・鹿・児・熊・本・佐・沖・縄の57文字は1回だけ使われている。
 互いに似ていて混同される名称はないし、発音が似て聞き間違える県名もない。更に旧国名を連想させる県名もない。歴史書に記されてはいないが、県名を決定する際に、政府と地方は水面下で何回も、県名について協議・折衝をしたのだろう。その代償だろうか、鉄道の路線名には旧国名と関係するものが多い。
 氏(姓)の漢字は田中・福田のように田が極めて多いが、県名では秋田の1県だけだ。
 春夏秋冬も秋田だけ、東西南北では北海道と東京の2都道で、上下左右はなし。
 長・大・宮・賀・愛・富・徳のような縁起の良い文字が頻用されているが寿・健は使用されていない。
 東京は江戸から改称されたとき東京と記され、トウケイと読まれていたが、次第に東京(とうきょう)が定着したらしい。
(1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)

このページの先頭へ