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桐生タイムスより

無限大∞/数学好きの読者のために

 無限大とは文字通り限りなく大きいことだ。すなわち、どんな大きな数よりもなお大きくて、数学では∞の記号であらわす。しかし、そんな数が実在するのだろうかと、ふと疑問に思う。
 どんな大きな数でも、それに1を加えると元の数より大きくなる。10倍すればさらに大きくなる。では∞を10倍すればどうなるのか。∞より大きくなれば、元の数はどんな数より大きいという無限大ではなくなる。
 無限大の反対は無限小だ。無限小はどんな数よりなお小さい数で、限りなく0に近いとされるが0ではない。無限小は実感として無限大より分かりやすいような気がする。昔、数学の時間で微分の前に極限を習った影響かもしれない。
 一方、0は完全にないことで、どんな数でも0を掛けると0になる。では0に∞を掛けたら答えはどうなるのか?0か∞か1か、または不足か、よく分からない。2×3は順序を変えて3×2としても同じで6だ。では0×∞=∞×0が成立するかと聞かれると、イエスとも言えるし、ノーとも言えるような気がする。
 0と∞とはどちらが強いのだろう。0は日常使用する数字だが、∞は日頃見る記号ではないので、何となく親しみが湧かない。
 ∞のついた芸能人がいるが、無限大と読むのかと思ったが、エイトと読むそうだ。8を横倒しにしただけで、何とも人騒がせだ。
 以上の疑問は無限大が数だと思うから生じるので、哲学上や宗教上の概念で、そんなものは実在せず、数ではないと考えれば疑問は消失する。
 数学界でも∞を数とする考えと、数ではないから数学では扱わないとする考えとがあるそうだ。
 ミカンとリンゴのどちらが好きかと尋ねられれば答えられるが、ミカンと読書のどちらが好きかと聞かれても答えようがない。全く異質なものを同質のように扱って質問するのはナンセンスだ。
 0は数だが、∞は数ではないので、0×∞はいくつかの質問は成立しないと考えると、解決するようなきがする。
 数学好きの読者のために、数式を使った簡単な問題を提供する。
 1/3=1÷3=0.333・・・・・=0.3’
 3が無限に続く循環小数である。
 1×3÷3を電卓(卓上電子計算機)で計算すると1と表示される。ところが×と÷の順序を変えて、1÷3×3を計算すると、0.999999999と10桁枠の電卓で9が9個並んだ。
 初期の頃の電卓では前者は1と表示されたが、後者は0と表示されていた(昭和40年代の電卓)。

 

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