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桐生タイムスより

はがき52円は便乗値上げか?/新料金表を点検してみた

 4月1日から消費税率が5%から8%に上昇するのに伴い、商品の価格が一斉に上がる。50円の郵便はがきも52円となる。
 税率が3㌽上がるので50×1・03=51・5で、円未満を四捨五入して52円だと単純に考えていた。
 4月下旬に開催される講演会の案内が、製薬会社から往復はがきで3月中旬に送られてきた。
 現行の郵便料金50円×2=100円で済むのに、4月以降の料金52円×2=104円の新しい往復はがきを使用している。製薬会社は無駄な金を使うなと思ったが、冷静に考え直すと、目立つように、医師に必ず読んでもらうように、意図的に4円余分に支出したのかと想像した。
 では、はがき代金2円の増額を検討してみよう。消費税5%のときは、50円を1・05で割った47・6円が実体価格だ。税率が8%になると、税込み価格は47・6×1・08=51・4円となる。四捨五入すると51円だ。
 わずか1円だと思う人もいるだろうが、年賀はがきを含めたはがきを年間50億枚と仮定すると50億円の巨額となる。
 80円の封書の料金も同様に計算してみよう。
 税率5%の現行では80÷1・05=76・1円が実体価格で、それに1・08を乗じた82・2円が新料金だ。四捨五入すると82円となり、日本郵便が発表した数字と一致する。
 新料金表を全部点検すると、定形外50㌘以内の120円は123円だが据え置き、100㌘以内の140円は144円となるが、140円に据え置き、150㌘以内の200円は206円となるが205円、それより高額な料金は1円の位を四捨五入して10円単位としている。
 鉄道運賃も1円単位にしたり、10円単位にしたりしている。両者を考え合わせると興味深い。
 所得税や法人税のような直接税は、税を負担する人と納税をする人とは同一であるが、消費税のような間接税は、実質的に税を負担するのは消費者だが、納税義務者は販売者だ。
 そのため、消費者には分かりにくいことが多く、納税の実務を知らない。
 例えば、実体価格100円の商品を税込み108円で販売すれば差額の8円は消費税で、客が負担すると思っている人がほとんどだ。
 客が負担しているのは消費税ではなく、正確には消費税相当額だ。請求書や領収証に消費税等相当額と正確に表示しているのは、東京電力とNTT東日本だ。
 はがきを購入する人にとっては、52円は便乗値上げのように感じられる。  (1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)

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