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桐生タイムスより

50音といろは/平安中期に作られた

50音とはアイウエオのことである。辞書や名簿は現在では50音順だが、昔は「いろは」順に記されていた。
 辞書を毎日利用している私は、50音順なら即座にその付近のページを開けるが、いろは順の辞書は10倍くらいの時間がかかった。
 50音の源は意外に古く、平安中期らしいが、「伊呂波歌」もその頃作られたようだ。
 新年会で石関貴史・井野俊郎の両衆議院議員と話しているとき、奇妙なことに気付いた。両議員ともイセサキ出身で、イシゼキ・イノと全部イから始まる。50音ではイは2番目で、桐生のキも元衆議院議員の笹川堯さんのサも50音の前半だ。
 それが「いろは」になると、伊勢崎・石関・井野は全部トップのイだが、桐生のキは「浅き夢見じ アサキユメミシ」で終わりのほうだ。不思議なことに笹川のサは桐生のキのすぐ上に鎮座している。
 偶然の現象で深い意味はないが、桐生の地盤が沈下して人口も政治・経済もすべての面で伊勢崎に追い越されたのも無理はないと思った。
 世の中が50音からいろは順に変わったのだろう。
 カタカナもひらがなも字源は漢字から生じたという。大辞泉によると次のとおりだ。
 ア―阿 イ―伊 ウ―宇 エ―江 オ―於 カ―加 キ―幾 ク―久 ケ―介 コ―己 サ―散 シ―之 ス―須 セ―世 ソ―曽 タ―多 チ―千 ツ―州 テ―天 ト―止 ナ―奈 ニ―二 ヌ―奴 ネ―祢 ノ―乃 ハ―八 ヒ―比 フ―不 ヘ―部 ホ―保 マ―万 ミ―三 ム―牟 メ―女 モ―毛 ヤ―也 ユ―由 ヨ―與(与)
 ラ―良 リ―利 ル―流 レ―礼 ロ―呂 ワ―和 ヰ―井 ヱ―恵 ヲ―乎
 ン―レ(はねる音を象徴的に示す記号)
 ひらがなの字源
 あ―安 い―以 う―宇 え―衣 お―於 か―加 き―幾 く―久 け―計 こ―己 さ―左 し―之 す―寸 せ―世 そ―曽 た―太 ち―知 つ―州 て―天 と―止 な―奈 に―仁 ぬ―奴 ね―祢 の―乃 は―波 ひ―比 ふ―不 へ―部 ほ―保 ま―末 み―美 む―武 め―女 も―毛 や―也 ゆ―由 よ―與(与)
 ら―良 り―利 る―留 れ―礼 ろ―呂 わ―和 ゐ―為 ゑ―恵 を―遠 ん―无

 いろはにほへと ちりぬるをわか
 よたれそつね  ならむうゐの
 おくやまけふこえて
 あさきゆめみし ゑひもせす
 色は匂へど 散りぬるを
  わが世誰ぞ 常ならむ
   有為の奥山 けふ越えて
    浅き夢見じ 酔ひもせず
 (1930年生まれ。桐生市堤町二丁目)

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